アルファ・プラスアルファ

デジタルカメラ(α7C II, α7R IV, α900, etc)とフィルムカメラで撮ってます

Minolta Semi P

Minolta Semi Pです。

名称:Minolta Semi P(ミノルタセミP)

型:6 x 4.5判フォールディングカメラ
レンズ:Chiyoko Promar 75mm F3.5

シャッタースピード:B, 2 ~ 200

絞り:F3.5 〜 F22

フォーカス:目測

重量:458 g (実測値)
サイズ:120 x 79 x 43 [101] mm (W x H x D [レンズを出した時])
発売日:1952年

 

カメラ屋のジャンクワゴンの中に古いコンデジ一眼レフカメラに混ざって、ちょっと年代の違いそうなスプリングカメラ(フォールディングカメラ)がちらっと見えたので手に取ってしまいました。ミノルタセミPでした。シャッターや絞り、フィルムの巻き上げなど一通り動作確認した結果、まだ使えそうだとわかったのでワゴンから救出しました。

 

レンズのChiyoko Promar 75mm F3.5は旭光学工業(のちのペンタックス)製です。焦点距離75mmは35mm換算だと45mmくらいの画角です。レンズにあるノブを下げるとシャッターチャージできます。このカメラの優れている点は、チャージはレンズ部分にありますが、シャッターボタンはカメラ本体側についていて普通のカメラのようにボディを右手でホールドしながら、右の人差し指でシャッターを切ることができることです。

 

レンズをしまった状態。非常にコンパクトになります。

ミノルタセミPのセミは半分という意味で、1コマ6 x 9のサイズに対して半分の6 x 4.5を表しています。120ブローニーフィルムで16コマ撮影できます。35mm版の普通のフィルムカメラに対してハーフカメラ(PEN Fなど)は1コマの半分のサイズを使用するのと同じ関係です。

 

スプリングカメラの元祖的なカメラ(ライカM3やニコンF的なカメラ)はツァイス・イコンのイコンタ(1929年発売)です。イコンタのセミ版としてセミイコンタがあります。国産ではイコンタやセミイコンタを真似て小西六写真工業(のちのコニカ)がパール、セミパールというカメラを販売しました。千代田光学精工(のちのミノルタ)はセミ版のみの販売で、セミミノルタ(1933年)、セミミノルタII (1937年)、そしてミノルタセミPです。なぜ最後のカメラでセミミノルタの位置が逆転したのかはわかりません。スプリングカメラは1950年代半ばくらいに最も売れたようですが、その後、35mm版のより使いやすいカメラに取って代わられて1960年以降はほぼ市場から消えたようです。

 

裏からみた姿。

フィルムの巻き上げは赤窓を見て行います。撮影する時は赤窓を閉じておいて、フィルムを巻き上げるときだけ開けます。ブローニーフィルムの裏には赤窓を通して何コマ目がわかるように数字が書いてあり、それを参考にして次のコマ分だけフィルムを巻き上げます。二重撮り防止のような洒落た機能は一切ありません。巻き上げ時に赤窓を開けるときはフィルムが感光しないように強い光を避けて行う必要があります。

軍幹部中央についているファインダーはかなり見づらいです。

 

裏蓋を開けた姿。

レンズシャッターなのでシンプルです。右から左へフィルムを送ります。

 

同じ1950年代発売の35mm判レンジファインダーNikon S2と比較。Minolta Semi Pの小ささがわかると思います。

 

以下、試し撮りした写真。

Minolta Semi P, PRO 160 NS

シャッタースピードの上限が1/200秒なので晴れの日の屋外ではかなり絞る必要があります。

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

目測で近距離撮影。うまくいきました。

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

前ボケはあまりきれいではありません。

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

シャッタースピード1/10で撮影。ちょっとブレました。

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

フィルム1本分撮って現像してみたら、どれも予想以上に良く写っていてびっくりしました。掘り出し物でした。