アルファ・プラスアルファ

デジタルカメラ(α7C II, α7R IV, α900, etc)とフィルムカメラで撮ってます

MINOLTA SUPER A

MINOLTA SUPER Aについてです。今回の投稿は以前書いたものを大幅に変更したものです。

名称:MINOLTA SUPER A (ミノルタスーパーA)

型式:35mm判レンズシャッター距離計連動カメラ
シャッター:機械式レンズシャッター

シャッタースピード:B, 1 ~ 1/400
ファインダー倍率:0.6倍
基線長:47.5mm(有効基線長:28.5mm)
フレーム:50mmのみ(ファインダー全体で35mm相当)
マウント:SUPER A専用
重量:626 g (実測値)
サイズ:139 x 81 x 57 (W x H x D)
発売日:1957年

 

カメラの名前がMINOLTA SUPER AでMINOLTAはカメラ名の一部です。ミノルタに社名が変わるまえの千代田光学精工が作っていました。

 

MINOLTA SUPER Aはレンズ交換ができるレンズシャッターカメラです。レンズシャッターといってもシャッターはレンズにあるのではなく、レンズのすぐ後ろのカメラ側にあります。5枚の羽が開閉します。シャッター羽を絞り羽としても使うレンズシャッターカメラもありますが、MINOLTA SUPER Aでは絞り羽がレンズ内部にあり、シャッターとは別になっています。

 

レンズシャッターカメラのメリットはフラッシュを全速同調できることらしいです。このカメラの最大シャッタスピードは1/400秒なので、1/400秒で同調できるのかもしれません。

 

裏蓋をあけたところ。フォーカルプレーンシャッターが存在せずすっきりしています。また、モルト不要の構造となっています。

 

MINOLTA SUPER Aの測距はレンジファインダー式なのでレンズを変えてもファインダーから見える像は変わらず、50mmのブライトフレームが常にでています。また、ファインダー全域で35mm相当の画角となるようです(それがわかるようにファインダーの右横に"FULL FRAME FOR 35mm LENS, LINED BRIGHT FRAME FOR 50mm LENS"と書かれています)。85mm以上のレンズを使用する場合は外付けファインダーが必要となります。

 

ファインダーの見えはM型ライカなどに比べると全くよくありませんが、同じ世代のMinolta-35 IIB (1958年発売)に比べるとずいぶん見やすいです(Minolta-35 IIBは初代のMinolta-35(1947年発売)のファインダーから倍率を上げた程度の改良しかしていないと思われるので見やすくないです)。

 

私が調べた限り、レンズ交換ができるレンズシャッターカメラのうち、測距方式がレンジファインダータイプのカメラはMINOLTA SUPER Aの他にフォクトレンダーのProminent(1952年発売)しかないです。その後、フォクトレンダーは一眼レフタイプのレンズ交換式レンズシャッターカメラUltramaticを出しています。MINOLTA SUPER AやProminentはレンジファインダーから一眼レフカメラへと移り変わっていく過渡期のカメラで、各社が新しいカメラの形を模索していた時代だったと思われます。そのため、いろんな変わったカメラが登場した時代でもあったようです。

 

フィルムカウンターに拡大レンズが搭載されていたりと高級ラインのカメラです。裏蓋を開けるとカウンターがちゃんとリセットされます。

 

シャッタースピードを変更するダイヤルがカメラの真ん中についていて、変わったデザインになっています。このシャッタースピードダイヤルに専用の露出計を取り付けることができ、露出計とシャッタースピードを連動させることができます。このダイヤルはかなり重く、シャッタースピードを変えるのに力がいります。ギア比が小さく、大きなトルクが必要な構造となっているようです。

 

MINOLTA SUPER A用のレンズは次の7つが用意されたようです。

Rokkor 35mm F3.5

Rokkor 50mm F2.8

Super Rokkor 50mm F2

Super Rokkor 50mm F1.8

Rokkor 85mm F2.8

Rokkor 100mm F3.8

Tele Rokkor 135mm F4.5

このうち、Rokkor 35mm F3.5、Rokkor 50mm F2.8、Super Rokkor 50mm F2、Super Rokkor 50mm F1.8、Rokkor 85mm F2.8は、レンジファインダーカメラ Minolta-35用に作られたレンズと同じ光学系だったようです。他社からMINOLTA SUPER A用に交換レンズが発売されたという情報はないなので、この7つのレンズが全てとなると思います。

 

私が購入したMINOLTA SUPER Aはジャンクだったため3千円でした。レンズはCHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8がついていました。ファインダー内のミラーにカビが見られ、レンズ善玉にも拭き傷のようなものがありました。シャッタースピードは全速ちゃんと変化しますが、二重像がずれているためピント合わせは目測で行う必要がありました。ちなみにきれいな完動品は数万円で取引されています。

 

付属レンズのCHIYOKO Rokkor 50mm F2.8はあまりよい描写ではないです。解像度、コントラストともに低いです。Minolta-35 II用にも販売されたSuper Rokkor 50mm F1.8は評判が良かったようですので、このSuperがつかないRokkorは価格を抑えた廉価版のレンズだったのかもしれません。

 

以下、2023年12月に撮った写真。

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

 

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

 

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

 

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

 

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100