六本木にはいくつか美術館があるので行くことがありますが、その隣にある麻布には立ち寄る機会がありません。ということで麻布十番駅で下車し、国産二眼レフカメラのMINOLTA AUTOCORD IIIをぶら下げ、麻布から六本木にかけて散歩しました。フィルムはACROS IIです。
AUTOCORD IIIはミノルタの二眼レフカメラの最終形態です。1965-66年くらいに製造されていたようです。ミノルタの二眼レフカメラの歴史は古く、1937年に発売されたミノルタフレックスから始まり、AUTOCORD IIIまで続きます。
AUTOCORDにはAUTOCORD CdSというCdS外光式露出計がカメラ上部についたモデルもあります。AUTOCORDシリーズの全てのテイクレンズ(二眼レフカメラの下のレンズで撮影用のレンズ)はロッコール 75mm F3.5ですが、 CdS II型からレンズが変わり(通称、ニューロッコール)、光学性能が向上したと言われています。ニューロッコールがついたモデルは、 AUTOCORD CdS II型、CdS III型、そしてこのCdS無しのAUTOCORD IIIになります。AUTOCORDのIII型を購入した理由は、フォルムがゴテゴテしていないCdSが無いモデルがよくって、さらにニューロッコールがついたものがよかったからだと記憶しています。
CdS II型から220のフィルムも使えるようになりました。220は120の2倍の長さがあるフィルムなので24枚撮れます。220フィルムを使用するためには圧着板を一度取り外して90度回転させて付け直します。AUTOCORD IIIではさらにフィルムカウンターの部分も改良され、ダイヤルを回して12から24表示にすれば、24までカウントしてくれるようになりました。しかし、現在は220のフィルムは売っていないのでこの機能は不要なものとなってしまっています。
パン屋さんの前。麻布は海外の方が多いです。
古いカメラなので逆光には弱くフレアが生じます。
飲食店の前にある自転車を撮ろうとしたところ女性が飛び出してきました。
信号待ちの間に行き先について確認しているのでしょうか。
マネキンと並べて撮ろうとしましたが、歩行者のほうがやや手前になってしまいました。
写真真ん中の建物は元麻布ヒルズフォレストタワーという高級マンションです。以前はカルロス・ゴーン氏が最上階に住んでいたと言われており、他にも有名人が住んでいるらしいです。
六本木にある国立新美術館に着きました。真夏に暑い中を歩きまわっていたせいか途中からくらくらしてきました。美術館で少し休ませてもらいました。
国立新美術館の中。曲線を多用しているデザインの建物です。国立新美術館はコレクションを持たないちょっと変わった美術館で、展示は全ていわゆる企画展として行われます。無料で入館できるので、美術品を見ずにカフェで休んだりショップでグッズを見たりということもできます。
AUTOCORDは120フィルムで12枚しか撮ることができません。しかし、じっくり被写体と構図を決めて撮ろうとすると、12枚撮るのも結構大変です。今回の散歩で12枚全て使い切りましたが、このくらいがちょうどいいかもしれないと思いました。