ミノルタのちょっと変わったレンズ、AF SOFT FOCUS 100mm F2.8を2016年くらいに購入したと記憶しています。2016年前後、Aマウントレンズを集めていたので、当然、オートフォーカスができるソフトフォーカスレンズという珍しいレンズがAマウントにあると知り、興味がわいて購入にいたりました。価格は4万円くらいだったと思います。2006年くらいに発売終了になって一時は中古価格が定価(1994年発売、定価7万円)以上になったらしいですが、私が購入した時は4万円くらいに落ち着いていました(今も4万円前後で買えるようです)。
このレンズはソフト効果量を全く無しの0から1, 2, 3と段階的に増やすことができます。メモリの0, 1, 2, 3のところで止まるようになっているだけで0から1の間にしたりと無段階に調節することができます。0にするとソフト効果が無いので普通の中望遠レンズとして使うことができます。EXIFにはソフト量が書き込まれないので、どれくらいのソフト量で撮ったかはメモしておかないと後から写真を見て判断するのは難しいです。
ソフト量3の時が一番短くなります。私は持ち運ぶときは常にソフト量3にしています。
ソフト量0のときが一番長くなります。
もしフードの印字にこだわるなら、購入するときA SOFT FOCUSと印字された専用フードが付属しているか確認したほうがよいでしょう。他のミノルタのズームレンズと同じ形のフードなので、そちらが付属している可能性があります。
購入したものの結局ソフトな写真を撮ることに意義を見出せず、たまに思い出して使う程度で、使用頻度はかなり低いレンズとなっていました。最近、モノクロでもよく写真を撮るようになってきたので、もしかしたらモノクロで撮った方がしっくりくるのではと思い、α900につけて街中スナップを試みました。α900のクリエイティブスタイル B/Wで撮りました。
このレンズの難しいところはソフト描写が絞り値によって変化するところです。F2.8のソフト量1と、F4のソフト量3は同じソフト描写となるようです(ミノルタα-7 完全攻略BOOKより)。なので1段絞るとソフト効果は2メモリ分消えてしまします。上2つの写真は絞り値F4でソフト量2か3だったと思います。これくらいのほうがソフト描写が効き過ぎずによいと思っています。
これは絞り値F2.8でソフト量は2くらいだったでしょうか。思い通りに撮れていました。
このレンズの難しい点その2は、ソフト量によって微妙にピントの合う位置がずれ、さらに画角が少し変わることです。画角はソフト量3の時が最も広く、ソフト量0の時が最も狭いです。つまり、焦点距離が変化しているということです。どちらが100mmに近いかはわかりません。
F2.8でソフト量3なので、ソフト効果最大です。このような写真はソフト効果最大でもよいのではと思います。
F4でソフト量3だったと思います。
F3.5でソフト量3だったでしょうか。ここまでは割と意図通りに撮れた写真です。
以下はソフト描写に失敗した例。
F2.8でソフト量3なのでソフト効果が最大に出ていますが、個人的にはソフト過ぎで失敗です。写真全体がボヤッとしてますし、女性の髪が背景の光に浸食されていてなんだか変です。人と人の間の立体感も失われています。
こちらはF4でソフト量1か2で撮った写真です。ソフト効果は写真を拡大しなけらばわかりません。普通の中望遠レンズで撮った写真と変わりません。
F5.6まで絞るとほとんど普通のレンズで撮った写真と同じになってしまいます。ソフトにしなくてもこのレンズの描写は優秀なのでそれはそれでいいのかもしれません。
シルエットはソフト効果があろうがなかろうがあまり変わらないので、ソフト描写でこのような写真を撮る意味はあまりないです。
おまけ。マネキン4体の横で女性3人が何かを待っている様子が面白く、うまく撮れないかとシャッターを切りました。F4でソフト量2か1だったので、ソフト描写にはほとんどなっていません。
結論:
ソフト描写は、カラーだと色が混ざったような滲みが出てそれがうるさくなる傾向があるので、モノクロの方が向いていると思いました。実践上は、どれくらいソフト描写になるか読めないので、手動でソフト量を変えて何度か同じ被写体を撮った方がよいです。しかし、ストリートスナップだとそれは難しいので、ある程度ソフト量に当たりをつけておく必要があります。個人的には絞りF4でソフト量3あたりが良いと思いました。