ミノルタα-7が壊れてしまったので、その代わりのAマウントフィルムカメラとしてα-7700iを購入しました。α-7700iはあのα-7000の後継機として登場した第二世代αシリーズのカメラ(1988年発売)です。α-7000からの主な機能アップは、オートフォーカスの動体予測制御、インテリジェントカードシステム、多分割測光、シャッタースピードの最高速向上(1/4000秒)などです。
基本仕様:
名称:α-7700i
型式:35mm AE一眼レフオートフォーカスカメラ
シャッター:縦走りフォーカルプレーンシャッター
シャッタースピード:B, 30 ~ 1/4000秒
連続撮影:3コマ/秒
ファインダー倍率:0.84倍
視野率:92% x 94%
フォーカスポイント:3点
マウント:ミノルタAマウント
重量:590 g
サイズ:153 x 93 x 57 (W x H x D)
発売日:1988年
ミノルタ自慢のアキュートマットのファインダーは見やすいです。ファインダー倍率も0.84倍と高く被写体が大きく見えます。フォーカスポイントは中央、左、右の3点です。α-7はピントがあったときにフォーカスポイントの色が赤に変わることでピントが合ったことを教えてくれますが、α-7700iではファインダー下の緑色のLEDが点灯、もしくは音で教えてくれます。このあたりの機能はコンパクトフィルムカメラと同じでまだまだという感じがします。
絞りやシャッタースピードの変更、モード切り替えを行うレバーがシャッターボタンの下にあります。これを右、左へ動かすことで絞りやシャッタースピードを変更できます。今のカメラの前ダイヤルに相当します。後ろダイヤルに相当するレバーはありません。マニュアル(M)モードでは絞りとシャッタースピードの2つの変更をしますが、レバーは一つしかないので、絞りかシャッタースピードの選択をレンズ付け根にあるボタンで行います。モード(A, S, M)の変更はMODEボタンを押しながらレバーを操作します。なぜかプログラム(P)モードだけは専用のボタン(Pボタン)があり、それを押せばPモードになります。左手でボタン押し、右手でレバー操作という扱い方です。
α-7700iを選んだのはその独特のデザインが気に入ったからです。特にグリップのデザインが変わっていると思います。グリップの肩についている液晶は傾斜しており、かつ少し右斜に曲がって配置されています。こういう微妙な液晶の配置は見たことがないです。
オートフォーカスのスピードは今のカメラに比べるとほんの少しワンテンポ遅いなと思うことはありますが実用上問題ない速さです。ミラーレス初期のコントラストAFの方がずっと遅いです。
このカメラから動体予測制御が導入されたらしいですが、コンティニュアス・オートフォーカス(AF-C)とシングル・オートフォーカス(AF-S)の項目はなく、カメラの挙動から判断するに、すべてAF-Sで動いているような感じです。この時代の動体予測制御ってなんだろう?
使い方さえ覚えてしまえば、今のカメラとほとんど同じような感覚で撮影できます。難しいところは特にありません。ミノルタ黄金期のカメラでずいぶん売れたようです。
私が購入したα-7700iは4000円でした。電池も付属していたのでお買い得でした。完動品のα-7は一万円以上するのでそれに比べるとだいぶ安いです。
Aマウントカメラは稼働部が多く壊れやすいと思います。モーターを使用している箇所は、ミラーアップ、フィルムの巻上げ、巻き戻し、オートフォーカス、絞りと考えられるだけで5箇所あります。それからプラスチック製のボディが多く経年劣化でボロボロになりやすいです。安いからといってネットオークションやフリマで「完動品」と書かれたものを買ってもまともに動かないものが送られてきたりします。過去2回失敗しました。カメラ屋で買うのが安心です。
フィルム2個分撮影したところ、ピントが抜けていたり露出がおかしい写真は一つもありませんでした。36年前のプラスチックカメラなのでボディの耐久性はちょっと怪しいですが、機能的には全く問題なく信頼して使っていけそうなカメラです。