アルファ・プラスアルファ

デジタルカメラ(α7C II, α7R IV, α900, etc)とフィルムカメラで撮ってます

α7R IVの電子先幕シャッター

大口径レンズで絞り開放(またはそれに近い絞り値)を使用する時のα7R IVの電子先幕シャッターについてです。

 

説明書の電子先幕シャッターの項目に

ご注意

  • 大口径レンズを装着して高速のシャッタースピードで撮影する場合、玉ボケなどにシャッターによる欠けが生じることがあります。その場合は、[切]に設定してください。

*1

とあります。

つまり、大口径レンズで高速シャッターを使用する場合、電子先幕シャッターを使用すると画質に影響があるのでメカニカルの先幕シャッターを使ってくださいということです。

 

FE 50mm F1.2で玉ボケが欠けたときの例を載せます。

α7R IV, FE 50mm F1.2 GM, 1/2500s, F1.2, ISO100

左は電子先幕シャッターをOFFに(メカニカル先幕シャッターを使用)したとき、右は電子先幕シャッターをONにしたときです。どちらも絞りはF1.2、シャッタースピードは1/2500です。電子先幕シャッターを使用したときは玉ボケの下側がかけています。

 

この現象の原因やどんな条件で起こりえるかは、こちらのサイトで詳しく説明されています。おおよそ1/1000~1/2000以上で生じるらしいです。

 

α7R IVで一番不満に思っているのが、この電子先幕シャッターのON/OFFです。他のメーカーではシャッター速度が一定以上早くなったときにメカニカルシャッターに自動的に切り替える機能がありますが、α7R IVには自動切り替え機能はありません。手動で切り替える必要があります。α7R IVの後継機のα7R Vの説明書を見ても自動切り替えはありませんでした。

 

常に電子先幕シャッターをOFFにしてメカニカルシャッターを使えばよいのではないかと思われるかもしれませんが、電子先幕シャッターを利用するメリットがいくつかあります。まず、レリーズタイムラグ(シャッターボタンを押してから写真が撮れるまでの時間差)が少ないです。これが最も大きなメリットだと思います。メカニカルシャッターの場合、機械的に先幕を一度降ろさないといけないのでレリーズタイムラグが大きくなります。一方、電子先幕シャッターは電荷による幕なので高速です。次に、シャッターの衝撃によるブレが少ないです。そして、シャッター音も後幕のみなので小さいです。なので、基本的に電子先幕シャッターを使い、日中屋外で絞り開放で撮影したいときなど画質が劣化しうる状況のみで電子先幕シャッターをOFFにしたいのです。

 

自動切り替えができないなら、せめて手動ですぐ切り替えられるようにするにはどうしたらよいでしょうか。電子先幕シャッターはメニューの二番目のカメラマークタブの5枚目にあります(α7R IV, Ver1.20)。

メニューを開いてここまで辿るのは面倒です。

 

すぐアクセスしたい機能はカスタムボタンやファンクションメニューに割り当てます。しかし、残念ながら電子先幕シャッターはカスタムボタンにもファンクションメニューにも割り当てられません。どうしてなのでしょう。このままではかなり使い勝手が悪いです。

 

もう一つの方法は、マイメニューに登録しておくことです。電子先幕シャッターはマイメニューに登録できます。

しかし、メニューを開いて何枚かページをめくらないといけないのであまり早く設定変更できません(Fnボタンでタブ移動すると早くはなる)。

 

結論:

いろいろと試してベストな方法が見つかりました。それは、カスタムボタンとマイメニューを組み合わせることです。カスタムボタンにマイメニュー表示を設定し、マイメニューに電子先幕シャッターを登録しておけば、カスタムボタンを押した時にマイメニューが表示されすぐに電子先幕シャッターのON/OFFを切り替えられます。私はレンズのカスタムボタンに割り当てています(GMレンズやGレンズにはカスタムボタンがついていて、結局これはレンズに依存する問題なのでレンズのカスタムボタンに割り当てています)。

 

もしかしたら新メニューのα7R Vではこの辺のカスタマイズ機構は改善されているのかもしれません。そして、ぜひ次のカメラ(α7R VI)では自動切り替え機能を取り入れてほしいです。

*1:ILCE-7M4ヘルプガイドより