アルファ・プラスアルファ

デジタルカメラ(α7C II, α7R IV, α900, etc)とフィルムカメラで撮ってます

下北沢, Nikon F

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

10年ぶりに下北沢に来たら随分と変わっていました。最後に訪れたのは小田急のホームが地下になってすぐの頃だったでしょうか。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

駅前ではアクセサリーなどを売っている人たちが何人もいます。昔はいなかったような覚えがあります。そもそもこのあたりは駅前食品市場があったところなので、薄暗くもっとディープな感じでした。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

それがすっかり跡形もなくなっています。駅前食品市場を撤去してできた空き地はバスのロータリーやタクシー乗り場になるそうです。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

南口商店街の雰囲気はあまりかわっていません。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

でもところどころ10年前にあった店はなくなって別の店になっているようです。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

変わったとはいえ古着の店が多いですね。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

帽子屋さん。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

この絵は昔からあったような気がします。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

このあたりの店は結構変わっていそう。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

カフェ Zac。店の看板は残っていますが昨年閉店したとのことです。昔、ケーキを食べたことがあります。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

井の頭線の高架下。この大きな文字はなかったし、蔦屋もなかった。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

 

このあたりの感じは昔のまま。カラオケ屋もあった気がする。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

本多劇場もそのまま。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

ヴィレッジバンガードも昔のままあるけど、ちょっと小綺麗になっている?

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

ヴィレッジバンガードの中。昔は商品の並びがごちゃごちゃでカオスでしたが、きれいになっていました。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

駅東側の商店街。こちらは南や北側に比べて人が少ないです。

 

Nikon F, NIKKOR-O•C Auto 35mm F2, NEOPAN 100 ACROS II

小田急の線路跡にはきれいな建物と遊歩道ができていました。

 

ちょっとしたタイムスリップ感を味わいました。特に駅周辺は大きく変わっていて昔の下北沢のダークでディープな感じが綺麗さっぱり無くなっていました。また、以前に比べて海外のお客さんが多くなっているようです。下北沢独特の街並みを楽しみに来ているのでしょうか。

 

写真を撮っていて楽しい街なのでまた行こうと思います。

α-7700i

ミノルタα-7が壊れてしまったので、その代わりのAマウントフィルムカメラとしてα-7700iを購入しました。α-7700iはあのα-7000の後継機として登場した第二世代αシリーズのカメラ(1988年発売)です。α-7000からの主な機能アップは、オートフォーカスの動体予測制御、インテリジェントカードシステム、多分割測光、シャッタースピードの最高速向上(1/4000秒)などです。

 

基本仕様:

名称:α-7700i

型式:35mm AE一眼レフオートフォーカスカメラ
シャッター:縦走りフォーカルプレーンシャッター

シャッタースピード:B, 30 ~ 1/4000秒

連続撮影:3コマ/秒
ファインダー倍率:0.84倍

視野率:92% x 94%
フォーカスポイント:3点
マウント:ミノルタAマウント
重量:590 g
サイズ:153 x 93 x 57 (W x H x D)
発売日:1988年

 

ミノルタ自慢のアキュートマットのファインダーは見やすいです。ファインダー倍率も0.84倍と高く被写体が大きく見えます。フォーカスポイントは中央、左、右の3点です。α-7はピントがあったときにフォーカスポイントの色が赤に変わることでピントが合ったことを教えてくれますが、α-7700iではファインダー下の緑色のLEDが点灯、もしくは音で教えてくれます。このあたりの機能はコンパクトフィルムカメラと同じでまだまだという感じがします。

 

絞りやシャッタースピードの変更、モード切り替えを行うレバーがシャッターボタンの下にあります。これを右、左へ動かすことで絞りやシャッタースピードを変更できます。今のカメラの前ダイヤルに相当します。後ろダイヤルに相当するレバーはありません。マニュアル(M)モードでは絞りとシャッタースピードの2つの変更をしますが、レバーは一つしかないので、絞りかシャッタースピードの選択をレンズ付け根にあるボタンで行います。モード(A, S, M)の変更はMODEボタンを押しながらレバーを操作します。なぜかプログラム(P)モードだけは専用のボタン(Pボタン)があり、それを押せばPモードになります。左手でボタン押し、右手でレバー操作という扱い方です。

 

α7700i, MINOLTA AF 35mm F2, SUPERIA PREMIUM 400

α-7700iを選んだのはその独特のデザインが気に入ったからです。特にグリップのデザインが変わっていると思います。グリップの肩についている液晶は傾斜しており、かつ少し右斜に曲がって配置されています。こういう微妙な液晶の配置は見たことがないです。

 

α7700i, MINOLTA AF 35mm F2, SUPERIA PREMIUM 400

オートフォーカスのスピードは今のカメラに比べるとほんの少しワンテンポ遅いなと思うことはありますが実用上問題ない速さです。ミラーレス初期のコントラストAFの方がずっと遅いです。

 

α7700i, MINOLTA AF 35mm F2, SUPERIA PREMIUM 400

このカメラから動体予測制御が導入されたらしいですが、コンティニュアス・オートフォーカス(AF-C)とシングル・オートフォーカス(AF-S)の項目はなく、カメラの挙動から判断するに、すべてAF-Sで動いているような感じです。この時代の動体予測制御ってなんだろう?

 

α-7700i, MINOLTA AF 35mm F2, SUPERIA PREMIUM 400

使い方さえ覚えてしまえば、今のカメラとほとんど同じような感覚で撮影できます。難しいところは特にありません。ミノルタ黄金期のカメラでずいぶん売れたようです。

 

α7700i, MINOLTA AF 35mm F2, SUPERIA PREMIUM 400

私が購入したα-7700iは4000円でした。電池も付属していたのでお買い得でした。完動品のα-7は一万円以上するのでそれに比べるとだいぶ安いです。

 

α7700i, MINOLTA AF 35mm F2, SUPERIA PREMIUM 400

Aマウントカメラは稼働部が多く壊れやすいと思います。モーターを使用している箇所は、ミラーアップ、フィルムの巻上げ、巻き戻し、オートフォーカス、絞りと考えられるだけで5箇所あります。それからプラスチック製のボディが多く経年劣化でボロボロになりやすいです。安いからといってネットオークションやフリマで「完動品」と書かれたものを買ってもまともに動かないものが送られてきたりします。過去2回失敗しました。カメラ屋で買うのが安心です。

 

α7700i, MINOLTA AF 35mm F2, SUPERIA PREMIUM 400

 

α7700i, MINOLTA AF 35mm F2, SUPERIA PREMIUM 400

 

α7700i, MINOLTA AF 35mm F2, SUPERIA PREMIUM 400

フィルム2個分撮影したところ、ピントが抜けていたり露出がおかしい写真は一つもありませんでした。36年前のプラスチックカメラなのでボディの耐久性はちょっと怪しいですが、機能的には全く問題なく信頼して使っていけそうなカメラです。

S Nokton 50mm F1.5 Aspherical

ニコンSマウント用のレンズ Voigtlander S Nokton 50mm F1.5 Asphericalについてです。Nikon S2用のレンズはNikkor-S.C 5cm F1.4しか持っておらず、せっかくレンズ交換できるのに1本しかないのはさびしいので、もう一つレンズを増やそうと思いました。Nikon S2は焦点距離50mm用の画角のブライトフレームしかないので、50mm以外のレンズだと外付けファインダーでフレーミングするのも必要があって面倒です。使用頻度の高いレンズは50mmなので、結局、50mmをもう一つ買うことにしました。選んだのはコシナのVoigtlander S Nokton 50mm F1.5 Asphericalでした。

 

Nikon S2, S Nokton 50mm F1.5 Aspherical, ColorPlus 200

S Nokton 50mm F1.5 Asphericalの発売は2003年です。レンズ構成は5群6枚でカメラに最も近い非球面レンズで収差を補正する設計となっています。最短撮影距離は0.9メートルでレンジファインダー用のカメラとしては一般的です。絞りは10枚羽で円形絞りではなく多角形(10角形)となります。S Noktonの"S"はSマウント用という意味です。

Mマウント用に同じレンズ構成のNokton 50mm F1.5 Aspherical VMがあります。そのMマウント用のレンズはさらに改良されNokton Vintage Line 50mm F1.5 Aspherical IIという2代目が販売されています。

 

Nikon S2, S Nokton 50mm F1.5 Aspherical, ColorPlus 200

ニコンSマウントのレンズ接続部分は2つあって、ピント調節用ヘリコイドがレンズ本体にないレンズは、カメラ側のヘリコイド部分に接続するようになっていて、その部分を内爪といいます。一方、ピント調節用のヘリコイドがついているレンズは内爪の外側にある部分に取り付けるようになっていて、その部分を外爪と呼びます。S Nokton 50mm F1.5 Asphericalは外爪用のレンズです。

 

Nikon S2, S Nokton 50mm F1.5 Aspherical, ColorPlus 200

写りは破綻なくしっかりしている印象です。

 

Nikon S2, S Nokton 50mm F1.5 Aspherical, ColorPlus 200

S Nokton 50mm F1.5 Asphericalをα7R IVにもつけて簡単に描写を見ました。開放F1.5では色収差があり1段絞ったF2でも色付きがみられました。中心の解像度は開放だとちょっとあまく、2段絞ったF2.8で解像するようになります。周辺の解像度は開放ではかなりあまく、しっかり解像させるにはF5.6以上に絞る必要があります。

 

Nikon S2, S Nokton 50mm F1.5 Aspherical, ColorPlus 200

逆光時の写真。コントラストが落ちて、少しゴーストが発生しています。2003年のレンズなので最新のレンズと比べると逆光には弱いです。

 

Nikon S2, S Nokton 50mm F1.5 Aspherical, ColorPlus 200

近接撮影はあまり得意ではない感じです。ボケは悪くないです。

 

Nikon S2, S Nokton 50mm F1.5 Aspherical, ColorPlus 200

 

Nikon S2, S Nokton 50mm F1.5 Aspherical, ColorPlus 200

大手町のキッチンカー。

 

Nikon S2, S Nokton 50mm F1.5 Aspherical, ColorPlus 200

川沿いでタバコを吸っている男性。様になっている。

 

最後に玉ボケについて。

α7R IV, S Nokton 50mm F1.5 Aspherical

年輪ボケが目立ち、ボケの中に泡立ちもあります。周辺に行くと玉ボケの形がレモン状になっていきます。

 

α7R IV, S Nokton 50mm F1.5 Aspherical

絞ると玉ボケの形が10角形になります。上の写真は2段絞ってF2.8にしたときです。口径食がなくなって周辺のボケもレモン型に欠けなくなりますが、ボケが全て10角形となります。

 

2003年製造なので非球面レンズの性能が今ほど高くなく玉ボケの質にまでこだわっていない時代だったからでしょう。イルミネーション等を撮るには向いていないレンズです。この時代の他のコシナ製のレンズにも言えますが、ボケにこだわるなら非球面レンズを使用していないレンズ(例えばC Sonnar T* 1.5/50 ZM)を選択したほうがよいです。

Minolta Semi P

Minolta Semi Pです。

名称:Minolta Semi P(ミノルタセミP)

型:6 x 4.5判フォールディングカメラ
レンズ:Chiyoko Promar 75mm F3.5

シャッタースピード:B, 2 ~ 200

絞り:F3.5 〜 F22

フォーカス:目測

重量:458 g (実測値)
サイズ:120 x 79 x 43 [101] mm (W x H x D [レンズを出した時])
発売日:1952年

 

カメラ屋のジャンクワゴンの中に古いコンデジ一眼レフカメラに混ざって、ちょっと年代の違いそうなスプリングカメラ(フォールディングカメラ)がちらっと見えたので手に取ってしまいました。ミノルタセミPでした。シャッターや絞り、フィルムの巻き上げなど一通り動作確認した結果、まだ使えそうだとわかったのでワゴンから救出しました。

 

レンズのChiyoko Promar 75mm F3.5は旭光学工業(のちのペンタックス)製です。焦点距離75mmは35mm換算だと45mmくらいの画角です。レンズにあるノブを下げるとシャッターチャージできます。このカメラの優れている点は、チャージはレンズ部分にありますが、シャッターボタンはカメラ本体側についていて普通のカメラのようにボディを右手でホールドしながら、右の人差し指でシャッターを切ることができることです。

 

レンズをしまった状態。非常にコンパクトになります。

ミノルタセミPのセミは半分という意味で、1コマ6 x 9のサイズに対して半分の6 x 4.5を表しています。120ブローニーフィルムで16コマ撮影できます。35mm版の普通のフィルムカメラに対してハーフカメラ(PEN Fなど)は1コマの半分のサイズを使用するのと同じ関係です。

 

スプリングカメラの元祖的なカメラ(ライカM3やニコンF的なカメラ)はツァイス・イコンのイコンタ(1929年発売)です。イコンタのセミ版としてセミイコンタがあります。国産ではイコンタやセミイコンタを真似て小西六写真工業(のちのコニカ)がパール、セミパールというカメラを販売しました。千代田光学精工(のちのミノルタ)はセミ版のみの販売で、セミミノルタ(1933年)、セミミノルタII (1937年)、そしてミノルタセミPです。なぜ最後のカメラでセミミノルタの位置が逆転したのかはわかりません。スプリングカメラは1950年代半ばくらいに最も売れたようですが、その後、35mm版のより使いやすいカメラに取って代わられて1960年以降はほぼ市場から消えたようです。

 

裏からみた姿。

フィルムの巻き上げは赤窓を見て行います。撮影する時は赤窓を閉じておいて、フィルムを巻き上げるときだけ開けます。ブローニーフィルムの裏には赤窓を通して何コマ目がわかるように数字が書いてあり、それを参考にして次のコマ分だけフィルムを巻き上げます。二重撮り防止のような洒落た機能は一切ありません。巻き上げ時に赤窓を開けるときはフィルムが感光しないように強い光を避けて行う必要があります。

軍幹部中央についているファインダーはかなり見づらいです。

 

裏蓋を開けた姿。

レンズシャッターなのでシンプルです。右から左へフィルムを送ります。

 

同じ1950年代発売の35mm判レンジファインダーNikon S2と比較。Minolta Semi Pの小ささがわかると思います。

 

以下、試し撮りした写真。

Minolta Semi P, PRO 160 NS

シャッタースピードの上限が1/200秒なので晴れの日の屋外ではかなり絞る必要があります。

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

目測で近距離撮影。うまくいきました。

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

前ボケはあまりきれいではありません。

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

シャッタースピード1/10で撮影。ちょっとブレました。

 

Minolta Semi P, PRO 160 NS

フィルム1本分撮って現像してみたら、どれも予想以上に良く写っていてびっくりしました。掘り出し物でした。

丸の内イルミネーション 2022, Nikon S2

Nikon S2, Nikkor-S.C 5cm F1.4, SUPERIA PREMIUM 400

2022年にフィルムカメラNikon S2で撮った写真です。レンズはNikkor-S.C 5cm F1.4です。まだコロナ禍の最中でしたけれど、丸の内イルミネーションを見に行った今年より、人が多かったと記憶しています。時間帯はあまり変わらないはずなので曜日によるのでしょうか。

 

Nikon S2, Nikkor-S.C 5cm F1.4, SUPERIA PREMIUM 400

車のメタリックな感じを出すことができました。

 

Nikon S2, Nikkor-S.C 5cm F1.4, SUPERIA PREMIUM 400

 

Nikon S2, Nikkor-S.C 5cm F1.4, SUPERIA PREMIUM 400

Nikkor-S.C 5cm F1.4の特性について。周辺のイルミネーションの光が流れていて、非点収差が大きく生じているのがわかります。1951年発売の古いレンズなので仕方がないかもです。

 

Nikon S2, Nikkor-S.C 5cm F1.4, SUPERIA PREMIUM 400

絞り開放時の玉ボケ。Nikkor-S.C 5cm F1.4の玉ボケは輪郭が残るタイプのようです。非球面レンズが使われていないのでボケ内に不自然な泡立ち模様が生じることはなさそうです。周辺部は円形が崩れて楕円ぽくなっています。

 

Nikon S2, Nikkor-S.C 5cm F1.4, SUPERIA PREMIUM 400

 

Nikon S2, Nikkor-S.C 5cm F1.4, SUPERIA PREMIUM 400

この東京駅の写真は絞り開放のF1.4で撮っています。Nikkor-S.C 5cm F1.4は絞り開放だとソフトな描写になります。ライトアップされた建物を撮るといい感じにそのソフトさが効いて味のある写真になってくれます。

新宿, MINOLTA SUPER A

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

1957年発売のMINOLTA SUPER AとCHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8で撮った写真です。古いレンズは現在のレンズに比べていろいろ収差が多く、くっきり鮮明に映らないことが多いです。そんなレンズで夕方の淡い日の光のもと写真を撮ると、レンズのソフトな描写と相まって思ったより良い感じになることがあります。それが古いカメラやレンズを使う醍醐味かなと思います。

 

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

 

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

 

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

 

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

 

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

MINOLTA SUPER A

MINOLTA SUPER Aについてです。今回の投稿は以前書いたものを大幅に変更したものです。

名称:MINOLTA SUPER A (ミノルタスーパーA)

型式:35mm判レンズシャッター距離計連動カメラ
シャッター:機械式レンズシャッター

シャッタースピード:B, 1 ~ 1/400
ファインダー倍率:0.6倍
基線長:47.5mm(有効基線長:28.5mm)
フレーム:50mmのみ(ファインダー全体で35mm相当)
マウント:SUPER A専用
重量:626 g (実測値)
サイズ:139 x 81 x 57 (W x H x D)
発売日:1957年

 

カメラの名前がMINOLTA SUPER AでMINOLTAはカメラ名の一部です。ミノルタに社名が変わるまえの千代田光学精工が作っていました。

 

MINOLTA SUPER Aはレンズ交換ができるレンズシャッターカメラです。レンズシャッターといってもシャッターはレンズにあるのではなく、レンズのすぐ後ろのカメラ側にあります。5枚の羽が開閉します。シャッター羽を絞り羽としても使うレンズシャッターカメラもありますが、MINOLTA SUPER Aでは絞り羽がレンズ内部にあり、シャッターとは別になっています。

 

レンズシャッターカメラのメリットはフラッシュを全速同調できることらしいです。このカメラの最大シャッタスピードは1/400秒なので、1/400秒で同調できるのかもしれません。

 

裏蓋をあけたところ。フォーカルプレーンシャッターが存在せずすっきりしています。また、モルト不要の構造となっています。

 

MINOLTA SUPER Aの測距はレンジファインダー式なのでレンズを変えてもファインダーから見える像は変わらず、50mmのブライトフレームが常にでています。また、ファインダー全域で35mm相当の画角となるようです(それがわかるようにファインダーの右横に"FULL FRAME FOR 35mm LENS, LINED BRIGHT FRAME FOR 50mm LENS"と書かれています)。85mm以上のレンズを使用する場合は外付けファインダーが必要となります。

 

ファインダーの見えはM型ライカなどに比べると全くよくありませんが、同じ世代のMinolta-35 IIB (1958年発売)に比べるとずいぶん見やすいです(Minolta-35 IIBは初代のMinolta-35(1947年発売)のファインダーから倍率を上げた程度の改良しかしていないと思われるので見やすくないです)。

 

私が調べた限り、レンズ交換ができるレンズシャッターカメラのうち、測距方式がレンジファインダータイプのカメラはMINOLTA SUPER Aの他にフォクトレンダーのProminent(1952年発売)しかないです。その後、フォクトレンダーは一眼レフタイプのレンズ交換式レンズシャッターカメラUltramaticを出しています。MINOLTA SUPER AやProminentはレンジファインダーから一眼レフカメラへと移り変わっていく過渡期のカメラで、各社が新しいカメラの形を模索していた時代だったと思われます。そのため、いろんな変わったカメラが登場した時代でもあったようです。

 

フィルムカウンターに拡大レンズが搭載されていたりと高級ラインのカメラです。裏蓋を開けるとカウンターがちゃんとリセットされます。

 

シャッタースピードを変更するダイヤルがカメラの真ん中についていて、変わったデザインになっています。このシャッタースピードダイヤルに専用の露出計を取り付けることができ、露出計とシャッタースピードを連動させることができます。このダイヤルはかなり重く、シャッタースピードを変えるのに力がいります。ギア比が小さく、大きなトルクが必要な構造となっているようです。

 

MINOLTA SUPER A用のレンズは次の7つが用意されたようです。

Rokkor 35mm F3.5

Rokkor 50mm F2.8

Super Rokkor 50mm F2

Super Rokkor 50mm F1.8

Rokkor 85mm F2.8

Rokkor 100mm F3.8

Tele Rokkor 135mm F4.5

このうち、Rokkor 35mm F3.5、Rokkor 50mm F2.8、Super Rokkor 50mm F2、Super Rokkor 50mm F1.8、Rokkor 85mm F2.8は、レンジファインダーカメラ Minolta-35用に作られたレンズと同じ光学系だったようです。他社からMINOLTA SUPER A用に交換レンズが発売されたという情報はないなので、この7つのレンズが全てとなると思います。

 

私が購入したMINOLTA SUPER Aはジャンクだったため3千円でした。レンズはCHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8がついていました。ファインダー内のミラーにカビが見られ、レンズ善玉にも拭き傷のようなものがありました。シャッタースピードは全速ちゃんと変化しますが、二重像がずれているためピント合わせは目測で行う必要がありました。ちなみにきれいな完動品は数万円で取引されています。

 

付属レンズのCHIYOKO Rokkor 50mm F2.8はあまりよい描写ではないです。解像度、コントラストともに低いです。Minolta-35 II用にも販売されたSuper Rokkor 50mm F1.8は評判が良かったようですので、このSuperがつかないRokkorは価格を抑えた廉価版のレンズだったのかもしれません。

 

以下、2023年12月に撮った写真。

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

 

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

 

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

 

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100

 

MINOLTA SUPER A, CHIYOKO ROKKOR 5cm f2.8, FUJICOLOR 100